パートタイマー、正社員に関わらず、「試用期間」って良く耳にしますが、実際どんな性質なのでしょうか?
また、契約期間が定められている派遣スタッフに試用期間は適用できるのでしょうか?
結論から言うと以下のようになります。
○解雇は合理的な理由がなければ不当
○派遣スタッフへも試用期間は設定可能
私自身も今までの会社で、入社から3か月経過した時点で、直属の上司から
「おめでとう、今日で試用期間は終わりだよ!」と言われたことがあります。
(試用期間だったんだ、って全然理解してませんでしたが、、、)
今回は、何となく設けられているけど、いまいちわかりずらい「試用期間」について、まとめさせていただきます。
目次
試用期間ってそもそも何?
試用期間とは、
【本採用を前提としたものであり、解雇に至るのであれば、客観的に合理的な理由がなければ不当とされます。】
この辺りは非常に曖昧になってしまいがちな部分です。就業規則または雇用契約書に試用期間中・期間終了後に解雇の可能性があること、そしてどんな場合に解雇となるかも明記する必要があります。
雇用主としては、どれだけ採用前の選考を行ったとしても、応募者の適性を適切に見極めるのは難しいものです。
労働者側としても、会社に入る前と後でのギャップを感じることで、その後の就業のモチベーションに大きな影響があります。
このようなミスマッチを解消するのが、試用期間です。この試用期間では、正式に採用する前に通常の業務に取り組んでもらい、能力や適正を判断することができます。
※労働者側は、試用期間の有無に関わらず、入社前の労働条件の確認、不明点は就業開始前に確認しておく方が良いです。
ただし「試用期間=お試し期間」と軽く考えると後々、トラブルになる可能性あります。
以下、3つの注意点をまとめてみました。
試用期間を設ける時の注意点
①解雇
試用期間中であっても、自由に従業員を解雇できるわけではありません。前段で、ご説明しましたが、客観的に合理的な理由がなければ不当とされます。
例えば「勤務態度が極めてよろしくない」、「明らかな能力不足」、「経歴・学歴詐称が発覚した」です。
試用期間中の解雇の手続きは、試用開始から解雇までの期間によって異なるため下記をご確認下さい。
- 試用開始日から14日以内の場合、労働基準法第21条の規定により、解雇予告無しに即時解雇が可能
- 試用開始日から14日を超える場合は、通常の解雇と同様の手続きが求められ、30日前の解雇予告、もしくは解雇予告手当の支払いが必要となります。
②社会保険加入義務
試用期間中の労働者は、長期雇用を前提としている為、会社は社会保険の加入要件に該当する労働者へ、資格取得手続きを行わなければなりません。
社会保険については、「扶養内での働き方」でも触れております。
③労働条件
求人募集の際に、労働条件を明記するのは基本です。本採用と試用期間にて労働条件が異なる場合は、必ず募集の時点で記載しなければいけません。
※面接時の口頭ベースではいけません。
以下、本採用と試用期間にて労働条件が異なる場合の例です。
【給与】月給30万円
※試用期間3か月:時給1000円
【勤務地】川崎市
※試用期間3か月:本社(赤坂)勤務
【担当業務】営業
※試用期間3か月:コールセンター業務
このように条件面が異なる場合は、求人の時点で、記載していなければいけません。
④有給休暇
有給休暇は、試用期間の有無に関わらず、6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上勤務した労働者には付与されます。
※本採用日から6か月ではないので注意。
有給休暇については、「有給って5日取らないとダメ?」でも触れてるので、チェックしてみてください。
派遣における試用期間
派遣の試用期間は設定できる
有期雇用(派遣)でも試用期間を設けること自体は、合理的な行為ではあります。
ただし、「勤務態度が極めてよろしくない」、「明らかな能力不足」、「経歴・学歴詐称が発覚した」等
【客観的に合理的な理由がなければ不当】
です。安易な解雇はできません。
しかし、実務上は、グレーな部分ではあります。あくまでも人と人となので、個人的には双方が納得できるよう話し合いが必要かと思います。
解雇を言われた際の対応
派遣として働く場合、私のような営業担当が必ずおります。
正直、14日の試用期間を定めてる取引先は存在します。就業開始前、就業中に営業に下記を確認しておくと良いです。
- 自分が就業する予定の会社に試用期間があるかどうか。
- 会社からの評価はどうか。(就業開始して1~2週間の自身の仕事ぶり)
- 評価が悪かった場合、どのようにすれば良いか。
仕事を始めたばかりだと、なかなか職場に慣れるまでにも時間かかることがあると思います。
そんな中での試用期間は非常に不安ですよね。会社に直接聞きずらい場合は、とにかく営業担当を通じてコミュニケーションをとってください。
自分の評価がわからない状態で、不安になるのであれば、聞いてしまいましょう。
まとめ
今回は、試用期間について紹介しました。試用期間を甘くとらえるとトラブルに発展する危険性があります。
試用期間中での解雇できますが、細心の注意が必要です。
また労働者側は、仮に試用期間での解雇を言われた場合、まずは理由を確認してください。それが客観的に見て合理的かどうか判断する必要があります。